ゴルフやテニスをしているときに、肘の内側や外側に痛みを生じることがあります。
肘に痛みが出るとパフォーマンスが低下するだけでなく、日常生活に支障をきたす可能性もあります。
また、ゴルフ肘やテニス肘は日常生活で発症することもあるため注意が必要です。
本記事ではゴルフ肘やテニス肘の症状や原因、対処法について解説します。
Contents
ゴルフ肘・テニス肘とは
ゴルフ肘やテニス肘は正式な病名ではなく、医学的には上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)および、上腕骨外側上顆炎と呼ばれるスポーツ障害の一種です。
スポーツ障害は捻挫や突き指のように一度の外力で発症するケガ(スポーツ外傷)とは異なり、局所への繰り返される負荷により発症する点が特徴です。
ゴルフ肘・テニス肘の主な症状
ゴルフ肘・テニス肘を発症すると、主に以下の症状が見られます
- スイングに伴う痛み
- 肘を伸ばした際の痛み
- 患部を押した時の痛み
- 手を握った時の痛み
- 手首を回転させる動作に伴う痛み
ゴルフ肘を発症するとスイングの際に肘の内側に、テニス肘の場合は外側に痛みを生じる点が特徴です。
ゴルフやテニスをするとき以外にも、肘関節を伸ばしたときに痛みを生じやすくなります。
また、患部を押した時に痛み(圧痛)を生じる点も特徴の1つです。
日常生活で安静にしているときにはあまり症状が見られませんが、手を握ったり手首を回転させたりするときに、肘の内側や外側に痛みを生じることがあります。
ゴルフやテニスをしていない方でも、重い買い物バッグを持ち上げたときや、雑巾を絞った時などに痛みが出る場合は、ゴルフ肘やテニス肘を発症している可能性が疑われます。
ゴルフ肘・テニス肘の原因
ゴルフ肘やテニス肘の主な原因としては以下の5つが挙げられます。
- オーバーユース
- 誤ったスイング
- 筋肉や関節の硬さ
- ウォーミングアップ不足
- 加齢
ゴルフ肘やテニス肘の5つの原因について、さらに詳しく解説します。
オーバーユース
ゴルフ肘やテニス肘の原因の1つがオーバーユース(使い過ぎ)です。
ゴルフ肘やテニス肘をはじめとするスポーツ障害の特徴が、局所への繰り返される負荷により発症リスクを高める点です。
ゴルフやテニスのスイングをし過ぎることはもちろんですが、配管の仕事や雑巾を絞る動作などで肘に繰り返し負荷が加わると、ゴルフ肘を発症しやすくなります。
誤ったスイング
ゴルフ肘やテニス肘の発症リスクを高める原因の1つが、誤ったスイングを繰り返すことです。
ゴルフ肘やテニス肘が上級者に少なく、初心者や中級者に多く見られるのもそのためです。
誤ったスイングの例は以下の通りです。
- 腰の回転ではなく手打ちになっている
- 正しい角度でゴルフのアドレスができていない
- クラブを強く握り過ぎている
- 脇が開き過ぎている
- ゴルフのフォロースルーの際に身体が左へ流れる
- テニスのラケットを振る際に手首が返り過ぎている
特に自己流でゴルフやテニスをしている方に、上記のような誤ったスイングを多く見かけます。
ゴルフやテニスの際に肘が痛むようであれば、レッスンプロなどの指導を受けることがおすすめです。
筋肉や関節の硬さ
筋肉や関節の硬さも、ゴルフ肘やテニス肘の原因の1つです。
ゴルフ肘で痛みが生じる上腕骨の内側上顆には、橈側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)や、尺骨手根屈筋(しゃっこつしゅこんくっきん)など、手首を内側に曲げる(掌屈)させる筋肉が付着しています。
テニス肘で痛みが生じる上腕骨の外側上顆には、長橈側手根伸筋や短橈側手根伸筋など、手首を反らす(背屈)筋肉が付着しています。
腕の使い過ぎや疲労の蓄積などで手首を内外に曲げる筋肉が硬くなると、内側上顆や外側上顆にかかる負担が増大するため、結果的にゴルフ肘やテニス肘を発症しやすくなるのです。
また、関節の硬さもゴルフ肘・やテニス肘の発症リスクを高めます。
例えば股関節が硬いと、スイングの際に腰が回転せず、手打ちになるため肘への負担が増します。
ゴルフ肘やテニス肘に伴う症状自体は肘に現れますが、肘から離れた筋肉や関節に原因があることも珍しくないのです。
ウォーミングアップ不足
ゴルフ肘やテニス肘の原因としては、練習やラウンド前のウォーミングアップ不足も挙げられます。
身体が十分に温まっていない状態でいきなりスイングをすると、筋線維の断裂によりゴルフ肘やテニス肘の発症リスクを高めます。
特に朝早い時間から練習やラウンドをされる方は注意が必要です。
朝は筋肉が硬くなっている時間帯のため、ウォーミングアップを怠るとゴルフ肘やテニス肘の発症リスクが高くなります。
加齢
加齢もゴルフ肘やテニス肘の原因の1つです。
ゴルフ肘やテニス肘は筋肉の牽引力によって発症リスクが高まるため、ストレッチなどで筋肉を柔軟に保つことが重要とされます。
しかし、筋肉が骨に付着する部分である腱に関しては、ストレッチで緩めることが期待できません。
そのため、加齢により腱が衰えると、日常の動作でもゴルフ肘やテニス肘を発症しやすくなるのです。
ゴルフ肘・テニス肘の治し方
ゴルフ肘やテニス肘の症状が見られる場合、医療機関や整骨院などでは、以下の方法で改善を図ることが一般的です。
- 安静
- 薬物療法
- 装具療法
- 物理療法
- 運動療法
- テーピング
- 手術療法
- 手技治療
医療機関や整骨院などでのゴルフ肘やテニス肘の治し方について簡単に解説します。
安静
肘の痛みを訴えて医療機関を受診し、ゴルフ肘やテニス肘と診断された場合には安静にすることが一番とされます。
ゴルフ肘やテニス肘の多くは前腕の筋肉を酷使することで発症するため、運動を休んで安静にしていると自然に回復するケースも少なくありません。
薬物療法
ゴルフ肘やテニス肘にともなう痛みを抑える場合、シップや外用薬(消炎鎮痛剤)を用いることが一般的です。
痛みがあまりにも強い場合には、ステロイド局所注射を行うこともあります。
ただし、ステロイド局所注射を繰り返すと、前腕の屈筋腱の強度が低下する可能性もあるため注意が必要です。
装具療法
肘の痛みがあるものの、仕事を休めない場合には、エルボーバンドやサポーターなどを利用し、関節への負荷を軽減する装具療法が行われます。
物理療法
物理療法もゴルフ肘やテニス肘を改善する際によく行われる治療法の1つです。
電気や光線、温水や冷水など物理的なエネルギーを利用し、痛みの緩和や症状の改善を図ります。
代表的な物理療法は、低周波やマイクロ波、赤外線、温熱療法などです。
近年では超音波やハイボルト、体外衝撃波を利用した治療も盛んに行われています。
運動療法
ゴルフ肘やテニス肘の早期改善を目指すため、運動療法も積極的に行われています。
症状があるときに無理な運動をすることは禁物ですが、過度の安静が回復を早めるとは限りません。
適度に身体を動かして血液の循環を促進させると、患部の回復を早めることが期待できます。
テーピング
ゴルフ肘やテニス肘の症状が重篤ではない場合や、発症を予防する目的でテーピング処置を行うこともあります。
整骨院などではキネシオテープと呼ばれる、伸縮性のあるテーピングを用いることが一般的です。
手術療法
上記の治療を行っても一向に改善が見られない場合、手術療法が検討されることもあります。
手術を行うと多くのケースでゴルフ肘やテニス肘に伴う痛みが改善します。
しかし、合併症や副作用のリスクも伴うため、可能な限り最後の手段として取っておく方が良いでしょう。
手技治療
整体院や接骨院・鍼灸院などでは、患部周辺の筋肉や動作上の問題点を確認します。
筋肉が硬く張っている部分は緩め、逆に緩み過ぎている部分は調整をするのが一般的です。
基本的に痛めてしまった腱には負荷を掛けず、身体の歪みの原因となっている骨盤や骨格を調整します。
活法・妙見活法での治療
活法は日本古来の手技療法です。
その中でも妙見活法は1000年以上の歴史があります。
妙見活法整体の特徴の一つに、治りが早い事があげられます。
元々は戦場で負傷した味方を、素早く回復させる事を目的としているからです。
現代は戦場まで行くことはありませんが、「素早く回復させる」と言う理念は変わらず根底にある為に施術回数も少なくすみます。
治療事例① 30代女性(テニス社会人リーグに参加) 愛知県大府市「共和阪野活法整体院」
主訴
- 3カ月前より発症
- 腕を振るだけで痛み有り
- 特に窓を拭く様左右に動かす動作で痛み増
施術
- 「空鍼整体療法」にて体内の方向性を一致させ、不具合の原因となる矛盾を取り除く
経過
- 腕を振る動作、左右に腕を動かす動作ともに痛み無く動けるようになり終了
治療事例② 30代男性(デスクワーク) 千葉県習志野市「月辰会活法整体院」
主訴
- ゴルフにてインパクト瞬間の右肘に痛み
- 半年前より痛み出し、徐々に痛み増し
施術
- 不具合は体液循環(血液・リンパ液・脳脊髄液)の不良と捉え
- 「二門直結療法」にて、右肘を始めとして全身の体内循環を活性化させる
経過
- 施術後、肘にストレスを与える外力を加えても痛み無し
- 以降ゴルフを楽しんでいると報告を受ける
妙見活法整体での治療を希望される方、また妙見活法整体の治療技術に興味がある方は下記のお問い合わせフォームよりご連絡下さい。
ゴルフ肘・テニス肘を発症した場合の対処法
ゴルフ肘やテニス肘の発症が疑われる場合には、次のように対処することがおすすめです。
- 運動後のアイシング
- 帰宅後に身体を温める
- 患部を上にして横向きで寝る
ゴルフ肘やテニス肘を発症した場合の対処法について解説します。
運動後のアイシング
ゴルフ肘やテニス肘の発症が疑われる場合には、運動後にアイシングを行いましょう。
アイスパックなどで1時間につき患部を10分ほど冷やします。
患部を冷やすと炎症の拡大を抑え、痛みを感じにくくすることが可能です。
帰宅後に身体を温める
ゴルフ肘やテニス肘を始めとするスポーツ障害を発症した場合、原則的には温めることが基本だと覚えておきましょう。
身体を温めて血液の循環が促進されると、患部への血液の流入量が増加し、回復を早めることが期待できます。
反対に痛みがあるからと湿布を貼ったり、冷やしたりすると血行不良を招き、返って症状の回復を遅らせるため注意が必要です。
患部を上にして横向きで寝る
ゴルフ肘やテニス肘に伴う痛みがある場合には、患部を上にして横向きで寝ることがおすすめです。
また、腕の下にクッションや抱き枕を置くと、就寝中の患部への負担を軽減することが期待できます。
自分でできるゴルフ肘・テニス肘の予防法
いったんゴルフ肘やテニス肘を発症すると、練習やラウンドを楽しめなくなるだけでなく、日常生活に支障をきたすこともあります。
そのため、普段から以下の方法でゴルフ肘やテニス肘を予防することが重要です。
- 適切な練習量を意識する
- 正しいフォームを身につける
- 日常的にストレッチを行う
- 身体の使い方を見直す
自分でできるゴルフ肘やテニス肘の予防法について紹介します。
適切な練習量を意識する
ゴルフ肘やテニス肘の発症を予防するためには、適切な練習量を意識することが欠かせません。
ゴルフ肘やテニス肘を始めとするスポーツ障害の多くは、オーバーユース(使い過ぎ)が原因となって起こります。
練習をした翌日に筋肉痛や疲労が残っている場合、自分に適した練習量を超過している可能性も疑われます。 適切な練習量は人により様々ですが、翌日に筋肉痛や疲労を残さないよう心がけましょう。
正しいフォームを身につける
ゴルフ肘やテニス肘を予防するためには、正しいフォームを身につけることが重要です。
安静や治療により症状が回復したとしても、誤ったフォームでスイングを繰り返すと、何度でもゴルフ肘やテニス肘が再発するためです。
最近はYouTubeなどの動画でも正しいスイングを学べるため、仕事の行き帰りなどを利用して視聴するとよいでしょう。
レッスンプロの指導を受けることも、正しいスイングの習得への近道です。
日常的にストレッチを行う
日常的にストレッチをおこなうことも、ゴルフ肘やテニス肘の予防には欠かせません。
特に次のような方法で、前腕の筋肉を柔軟に保つよう意識しましょう。
- 右手をまっすぐ前に伸ばし、手の平を上に向ける
- 左手で右の人差し指から小指までをつかむ
- 左手でつかんだ指を引っ張るようにして、右の手首を反らす
- 次に右手をまっすぐ前に伸ばし、手の平を下に向ける
- 左手で右の手首をつかむ
- 左手でつかんだ手首を曲げるようにして前腕をストレッチする
- 30秒×3セット行いましょう
ストレッチはお風呂で身体が温まったときに行うと効果的です。
左利きの場合は上記の手順と反対にストレッチしましょう。
身体の使い方を見直す
ゴルフ肘やテニス肘を予防するためには、普段の身体の使い方を見直す必要があります。
右腕に症状が出るようであれば、バッグなどを左手で持つように意識しましょう。
また、重い荷物を持ち上げるときなどは、腕の筋肉だけを使うのではなく、下半身の力も利用するよう意識しましょう。
ゴルフ肘・テニス肘を予防して練習やラウンドを楽しみましょう
ゴルフ肘やテニス肘の多くは前腕の筋緊張が原因となって起こります。
そのため、普段からストレッチを行い、筋肉や関節を柔軟に保つことが重要です。
また、運動の直後はアイシングを行い、帰宅後はお風呂で温めるなどして血行を促進すると、症状の回復を早めることが期待できます。
手術を避けるためにも本文で紹介した対策を行い、ゴルフ肘やテニス肘の改善・予防に努めましょう。
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