腰痛や足のしびれがあるときに医療機関を受診すると、坐骨神経痛と言われることがあります。
実は、坐骨神経痛は病気や病名ではないことをご存じだったでしょうか。
この記事では、坐骨神経痛の原因や症状を和らげる方法、治し方などについて解説します。
Contents
坐骨神経痛とは
腰痛や足のしびれがあるときにレントゲンやMRI検査などを行った方の中には、坐骨神経痛と言われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、坐骨神経痛は「坐骨神経沿いに痛みやしびれが出ている現象」を説明したものであり、病気や病名という訳ではありません。
そもそも腰痛はおよそ8割が原因不明とされており、画像診断で明らかに異常な所見を認める方が少数例です。
ある意味では、坐骨神経痛という言葉が便利に使われていると言えるかもしれません。
坐骨神経とは
坐骨神経は人体の中でもっとも大きい末消神経で、もっとも太い箇所ではボールペンほどの太さがあります。
また、坐骨神経は腰からお尻、足にかけて走行しており、長さもおよそ1メートルと長い点が特徴です。
坐骨神経痛の主な原因
坐骨神経痛を引き起こす主な原因としては以下の3つが挙げられます。
- 腰部疾患
- 筋緊張
- 血行不良
ここでは、坐骨神経痛の主な原因について解説します。
腰部疾患
坐骨神経痛を引き起こす原因の1つが腰部疾患です。
主な腰部疾患としては、腰部脊柱管狭窄症や腰椎椎間板ヘルニア、梨状筋症候群、変形性腰痛症、すべり症などが挙げられます。
腰部脊柱管狭窄症
加齢とともに背骨の中にある神経の通り道(脊柱管)が狭くなり、神経圧迫を起こすと足のしびれが出やすくなります。
腰部脊柱管狭窄症の特徴は、しばらく歩くと痛みやしびれのために歩けなくなり、少し休むと歩けるようになると言った間欠性跛行(かんけつせいはこう)を繰り返す点です。
また、背中を後ろに反らした際に痛みが増強する点も、腰部脊柱管狭窄症の特徴の1つです。
腰椎椎間板ヘルニア
腰の骨(腰椎)と骨の間にはクッションとしての働きを持つ椎間板があります。
椎間板は垂直の圧には強いのですが、前後左右から偏った圧が継続的にかかると、中から髄核が飛び出し神経圧迫を引き起こします。
神経が圧迫された箇所で腰痛を引き起こすこともあれば、神経の通り道に痛みやしびれを生じる(放散痛)ケースもあります。
- 梨状筋症候群
梨状筋(りじょうきん)は骨盤の中央にある仙骨と太ももの骨を結ぶ筋肉です。
坐骨神経は梨状筋の下を走行しているため、何らかの原因によって梨状筋が硬くなると、神経圧迫を起こして臀部や足の痛み、しびれが出やすくなります。
- 変形性腰痛症
変形性腰痛症は、加齢などが原因で腰椎に変形を起こした病態を指します。
腰椎が変形したからといって必ずしも痛みを生じる訳ではありませんが、画像診断で異常所見が認められると、変形性腰痛症と診断されることがあります。
また、先ほど紹介した腰部脊柱管狭窄症は、変形性腰痛症が悪化して発症するという考え方もあります。
- すべり症
腰椎は5つの椎体から構成されていますが、何らかの原因によって椎体が前にスライドするすべり症を発症することで、その椎体エリアの神経圧迫を起こします。
すべり症の多くは後天的な理由で起こり、主な原因としては加齢や重量物を繰り返し持ち上げる作業、激しい運動などが挙げられます。
若い方がすべり症を発症しても無症状で経過することが多いのですが、高齢者の場合は腰痛や足のしびれが出やすい傾向にあります。
筋緊張
筋緊張も坐骨神経痛を引き起こす原因の1つです。
坐骨神経沿いの筋肉が硬くなることで神経を圧迫すると、圧迫された箇所での痛みや神経沿いのしびれが生じやすくなります。
医療機関を受診しても腰痛の原因が分からないのは、レントゲンやMRI検査では骨や神経しか見られないためです。
そのため、原因不明の腰痛があるときに「坐骨神経痛です」と説明されるケースが多い訳です。
骨や神経に異常がない場合、筋肉・筋膜・腱・靱帯といった軟部組織に原因を求めるのが論理的な姿勢と言えます。
しかし、日本では明治維新以降、西洋医学を元に病気の治療を行っているため、軟部組織に着目するケースが少ない傾向にあるのです。
実際、医療機関で坐骨神経痛と言われた方の多くに、臀部や太ももなどの筋緊張が認められることが多いです。
そのため、病院では治らなかった坐骨神経痛が、鍼灸院や整体院の施術で改善したという例も珍しくありません。
血行不良
坐骨神経痛の原因としては血行不良も挙げられます。
正座をした後に足がしびれた経験は、だれでもお持ちではないでしょうか。
また、冬の寒い日に手袋をせずに外出すると、指がジンジンとしびれることもあると思います。
血液は全身に酸素と栄養を運んでいるため、血行不良が起こった箇所に慌てて血液を送ろうとします。
その際に症状としてしびれが出るケースもあるのです。
坐骨神経痛の場合も、筋緊張などが原因で血管が圧迫されて、血行不良が起こった箇所に症状があらわれると考えられます。
坐骨神経痛の症状を和らげる方法
坐骨神経痛の症状を和らげるためには、以下の方法を試してみるのがおすすめです。
- お風呂で身体を温める
- ストレッチをおこなう
- 適度に身体を動かす
ここでは、坐骨神経痛の症状を和らげる3つの方法について解説します。
お風呂で身体を温める
坐骨神経痛の症状がある方は、試しにお風呂で身体を温めてみましょう。
お風呂で身体を温めて症状が緩和するようであれば、筋緊張や血行不良が原因で坐骨神経痛が出ていると考えられます。
仮にヘルニアが原因で痛みやしびれが出ているのであれば、温めても効果がないことは論理的に考えて明白です。
ストレッチを行う
お風呂で身体を温めて坐骨神経痛の症状が緩和する方は、普段からストレッチを行うこともおすすめです。
特に臀部の筋肉が硬いと坐骨神経痛が圧迫されやすいため、股関節を柔軟に保つストレッチに取り組むのがおすすめです。
適度に身体を動かす
筋緊張や血行不良や運動不足によって起こるケースが多いため、普段から適度に身体を動かすことも重要です。
運動をする時間がない方は、エレベーターやエスカレーターの代わりに階段を使うなど工夫すると良いでしょう。
坐骨神経痛の治し方
ここまでの解説で分かるように、坐骨神経痛が起こる大きな原因は筋緊張や血行不良、および腰部疾患の3つです。
そのうち筋緊張や血行不良に関しては上記の方法で改善が期待できますが、腰部疾患に関しては専門家に相談することが重要です。
原因不明の腰痛や足のしびれがある方は、まず整形外科で検査を受けることがおすすめです。
レントゲンやMRIで検査をしても原因が分からない方は、受傷原因のある急性症状の場合は整骨院、慢性症状の場合は鍼灸院や整体院などで相談する方法もあります。
活法・妙見活法での治療
妙見活法は日本古武道の桓武月辰流柔術に伝承される手技療法です。
坐骨神経痛など痛やしびれの症状にも対応できる技術を継承しています。
妙見活法では『不具合・不調は体内の詰まりによる滞り』として捉えます。
詰まりの原因は血液やリンパ液・関節や腱などイメージしますが、原因が何であれ滞りの原因を一瞬で流すと不具合が嘘のように消え去ります。
詰まりを流す操作法は複数存在しますが、身体のセンサーである皮膚を利用することも妙見活法の特徴の一つです。
妙見活法による治療事例①~30代男性 兵庫県神戸市 こうだ治療院~
主訴
- 座位時、臀部・大腿部に疼きと痺れあり
- 歩行時も痛みが出るが座っている時が一番痛い
施術
体内の詰まりを一気に流すため六根浄整体で圧力を掛ける。
効果が最大限となる様に、言語による誘導も加える。
結果
- 施術前まで痛くてできなかった前屈動作
- 膝を伸ばした状態での下の物を拾う動作
どちらも何の違和感も無く出来るようになり、大変驚かれて終了とする。
こうだ治療院
- 住所:兵庫県神戸市中央区布引町4-3-12 大和ビル8F
- 電話:078-855-6767
- https://www.koda-chiryoin.com/
妙見活法による治療事例②~40代女性 神奈川県横浜市 柿の木整体院~
主訴
- 児童養護施設の教諭のため、身体的な負担やストレスが多い
- 最近デスクワークも重なり、左脚に痺れあり
- 座位からの立ち上がりや歩行が辛い
- ただ座っているだけでもかなり辛そう
施術
三諦円融整体の触れ方で、座ったり立ち上がったりを繰り返し誘導する。
動作がスムーズになったタイミングで梨状筋周りをサポートしながら脚の拳上をすると、痛みも痺れも消失して終了。
結果
- あちこちの整体院に行っても、全く改善が見られなかったのに短時間で痛みが消えたことに大変驚かれる
- 押したり揉んだりの整体は、筋繊維に負担が掛かり逆につらくなるのでは?との疑問を抱く
柿の木整体院
- 住所:神奈川県横浜市青葉区柿の木台28-34
- 電話:なし(lineで受付)
- http://kakinoki.pro/
危険な坐骨神経痛の見分け方
坐骨神経痛の多くは適切な対処により改善が期待できますが、以下の症状が見られる方は早急に医療機関で治療を受ける必要があります。
- ・両足にしびれが見られる
- ・痛みがどんどん増している
- ・足の痛みやしびれで100メートルも歩けない
- ・排便障害や排尿障害が見られる
上記の症状がある場合、重度の腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などを発症している可能性があります。
放置すると日常生活に多大な支障を来す恐れもあるため、すみやかに医療機関を受診するのがおすすめです。
まとめ
坐骨神経痛の多くは筋肉や筋膜など軟部組織の緊張、およびそれにともなう血行不良によってもたらされます。
しかし、場合によっては重篤な腰部疾患を発症している可能性もあるため、まずは医療機関で検査をするのがおすすめです。
画像検査で異常所見が認められない方は、今回ご紹介した方法で改善を図るのがおすすめです。
セルフケアに割く時間がない方は、近くの整骨院・接骨院で定期的に施術を受ける方法もあります。