小学校の高学年から中学生に多く見られる膝の病気の1つがオスグッド病です。
成長期に見られるため成長痛と説明されるケースもありますが、実際にはスポーツ障害の一種に分類されます。
オスグッドを発症した際に適切な対処を怠ると、スポーツに復帰するのが遅れるため注意が必要です。
本記事ではオスグッド病の原因や症状の特徴、治療法や改善・予防方法について徹底解説します。
足の痛みを訴える児童や生徒の親御さんも参考にしてください。
オスグッド病とは?
オスグッド病はオスグッド・シュラッター病とも呼ばれる病気で、小学校高学年から中学校の児童や生徒に見られる疾患です。
特にバスケットボールやバレーボール、サッカー、フィギュアスケートなど跳躍を繰り返す競技や、急激な方向転換を行うスポーツに多く見られます。
片側の膝の下方に発症することが一般的ですが、まれに両足同時に発症するケースも見られます。
オスグッド病の発症メカニズム
太ももの前面には大腿四頭筋(だいたいしとうきん)と呼ばれる大きな筋肉があり、腱に移行して膝蓋骨(膝のお皿)および脛骨(すねの骨)に付着しています。
膝蓋腱が付着している箇所を脛骨粗面と呼びますが、大腿四頭筋の牽引力が過剰に脛骨粗面に加わることで、膝蓋骨が付着している成長軟骨部を剥離します。
通常であれば安静にて2週間ほどで治る軟骨損傷ですが、運動を繰り返すと損傷部位が治らずに余計な血管の増加を招き、結果として痛みや腫れを生じやすくなるのです。
オスグッド病の主な症状
オスグッド病を発症すると、主に以下の症状が見られます。
- 運動にともなう脛骨粗面部の痛み
- 腫れや熱感
- 脛骨粗面の膨隆
運動に伴う脛骨粗面部の痛み
オスグッド病の症状の1つが、運動に伴う脛骨粗面部の痛みです。
運動を始めてしばらくすると痛みが現れますが、休んでいると痛みが治まります。
腫れや熱感
腫れや熱感もオスグッド病の症状の1つです。
運動中や運動後に患部の周辺が赤く腫れたり、熱を持ったりする傾向にあります。
脛骨粗面の膨隆
脛骨粗面に対して牽引力が生じて軟骨損傷が起きると、過剰な血管の増加を招きます。
余計な血管が増えると石灰沈着により仮骨ができるため、脛骨粗面がボコッと膨らんで見えることがあります。
オスグッド病と成長痛の違い
オスグッド病はしばしば成長痛と説明されますが、成長痛とは明らかに異なる特徴があります。
成長痛は一般的に足全体の痛みが特徴ですが、オスグッド病は膝の下の限局的な痛みが特徴です。
オスグッド病の場合は画像診断で明らかに異常な所見が見られますが、成長痛の場合には画像の異常が見られません。
また、成長痛は夕方から夜間に痛みを生じますが、オスグッド病は運動に伴って痛みを生じます。
オスグッド病の原因
オスグッド病の原因としては以下の例が挙げられます。
- オーバーユース
- 筋肉の柔軟性不足
- 関節の硬さ
- 疲労の蓄積
- 誤った身体の使い方
オーバーユース
オスグッド病を引き起こす大きな原因の1つがオーバーユース(使い過ぎ)です。
跳躍などの同じ動作を繰り返すことで局所に負担がかかり、オスグッド病の発症リスクを増加させます。
バスケットボールやバレーボールの選手にオスグッド病が多いのもそのためです。
筋肉の柔軟性不足
筋肉の柔軟性不足もオスグッド病の原因の1つです。
特に大腿四頭筋が硬いと膝関節を曲げた際に、牽引力によって脛骨粗面への負荷が増加します。
関節の硬さ
関節の硬さも、オスグッド病の原因の1つです。
膝関節は主に前後にしか曲がらないため、股関節が硬いと膝関節にかかる負担が増加します。
また、足関節(足首)が硬いと地面からの衝撃を吸収する機能が低下するため、膝にかかる負担が増加する傾向にあります。
疲労の蓄積
オスグッド病の原因としては疲労の蓄積も挙げられます。
疲労が蓄積した状態で運動をすると、膝への負担が増大してオスグッド病の発症リスクを高めます。
成長痛の場合は疲労の蓄積は関係ありません。
誤った身体の使い方
誤った身体の使い方も、オスグッド病の発症リスクを高める原因の1つです。
ジャンプの着地の際に足首のクッションが使えていなかったり、膝に負担がかかる投球フォームを繰り返すなどすると、オスグッド病の発症リスクを高めます。
オスグッド病の治し方
整形外科の病院ではオスグッド病が疑われる場合、主に以下の治療が行われます。
- 安静
- アイシング
- 薬物療法
- 装具療法
- 電気治療
- 手術療法
安静
オスグッド病は基本的に運動に伴い痛みが出るため、発症が疑われる場合には一時的に運動を中止して安静にするのが基本です。
運動以外にもしゃがむ動作を繰り返すと症状を長引かせるため、なるべく避けるように指導されます。
アイシング
運動の後に痛みが見られる場合には、アイシングを行うこともあります。
整形外科などではアイスパックなどを利用して局所を冷やすのが一般的です。
薬物療法
オスグッド病に伴う痛みが強い場合には、痛み止めなどの内服薬が処方されます。
また、消炎鎮痛効果のある湿布を患部に貼ることもあります。
装具療法
オスグッド病を発症した場合、装具療法が行われることもあります。
脛骨粗面を圧迫するように専用のサポーターを巻くと、膝を曲げた際にかかる負担を軽減することが可能です。
電気治療
オスグッド病に対しては電気治療も行われます。
低周波やマイクロ波、ハイボルトなどさまざまな電気治療法があります。
手術療法
上記の治療で改善が見られない、もしくは日常生活に支障を来すような場合には、手術療法が検討されることもあります。
手術では大腿四頭筋腱の牽引力により剥がれた骨片を摘出することが一般的です。
ただし、オスグッド病で手術をおこなうケースはまれです。
活法・妙見活法での治療
妙見活法は日本古武道の桓武月辰流柔術に伝承される手技療法です。
オスグット病などの膝の不具合にも妙見活法は柔軟に対応できる技術があります。
妙見活法は施術の際に重力を重要視します。
地球上で活動している以上誰でも重力の影響から逃れることはできず、時に不具合が生じるのは負荷が掛かりすぎている状態です。
重力の負荷を分散し、バランスを整えると一部に偏っていた負荷が中和され、結果として痛みや不具合が改善されるのです。
そのために身体の一部に負担が掛かりオーバーユースとなって症状に現れています。
妙見活法による治療事例①~小学6年生男子 神奈川県茅ケ崎市 整体院R2~
主訴
- 一カ月前よりバスケットボール練習中走ると膝の下に痛み
- 日増しに歩行時も痛み
- バスケットボールの試合が治療日の夕方にあるのでそれまでに改善できないかと来院
施術
膝の痛みの原因は、膝の重力バランスの不調和と捉え、地球の傾きに同期させて全身の重力バランスを整える三光天位之活を施す
結果
- その場で走っても痛みが消失したことを確認
- ジャンプ着地時も痛みがない
- 試合に出場できると喜んで帰宅
治療院アクセス
- 整体院 R2
- 住所:l 神奈川県茅ヶ崎市平和町9-43 2F
- 電話番号:0467-88-7746
妙見活法での治療事例~10代男性 中学生 岐阜県瑞浪市 龍門整体療法院~
主訴
- バスケットボール部に所属
- 膝に負担のかかる動作時の痛み
- 脛骨結節の盛り上がり
施術
片腕に「丁の操作系」を維持しながら、しゃがみ込みからジャンプまでの一連の動作をさせる。
全ての動作のタイミングが同期し、負荷の偏りが小メル。(三光丁の活)
結果
- ジャンプの発着時、片足に体重を乗せた膝の曲げ伸ばし運動など全ての痛みは瞬時に消滅
- 脛骨結節の盛り上がりもほぼ消失
- その後のバスケットボール大会に無事出場し、活躍できたとの報告を受ける
治療院アクセス
- 龍門整体療法院
- 住所:岐阜県瑞浪市河戸町1098-13
- 電話番号:0572-68-7340
オスグッド病の発症が疑われる場合の対処法
オスグット病の発症が疑われる場合にはRICE処置を行うことが一般的です。
RICE処置は英語の「Rest」「Ice」「Compression」「Elevation」の頭文字を取った応急処置法です。
Rest(安静)
オスグッド病の発症が疑われる場合には、まず安静にすることが求められます。
痛みがあるのに動き回っていては、治るものも治らなくなるためです。
Ice(冷却)
ケガ人を安静にさせたら、痛みが出ている場所をアイスパックや氷嚢などで冷やします。
1時間につき10分から15分ほど冷やすと、炎症の拡大を抑え、痛みを感じにくくする効果が期待できます。
ケガ人が小さい子どもの場合は、凍傷を起こさないように注意しましょう。
Compression(圧迫)
アイシングを終えたらテーピングや弾性包帯などで患部を圧迫します。
圧迫すると痛みを和らげ、患部の動揺を防ぐ効果が期待できます。
Elevation(挙上)
患部の圧迫を終えたら、可能であれば挙上を行います。
心臓より高い位置に患部を固定すると、一時的に血液の流入量が減少するため、炎症の拡大を予防できます。
オスグッド病の予防法
いったんオスグッド病を発症すると、回復までに長い期間を必要とするため、普段から予防に取り組むことが重要です。
オスグッド病の予防には以下の方法が効果的です。
- 練習メニューの見直し
- 練習前のウォーミングアップ
- 練習後のクールダウン
- 適切な休養と睡眠
- 大腿四頭筋腱のストレッチ
練習メニューの見直し
オスグッド病を予防するためには、練習メニューの見直しを行いましょう。
オスグッド病はオーバーユースが原因で起こるスポーツ障害の一種です。
頻繁に太ももの前面が筋肉痛になる場合、オーバーユースの可能性が疑われるため、適切な運動量を意識することが重要です。
練習前のウォーミングアップ
オスグッド病を予防するためには、練習前のウォーミングアップが欠かせません。
身体が温まっていない状態でいきなりダッシュやジャンプを繰り返すと、硬い筋肉が脛骨粗面を引っ張るため、オスグッド病の発症リスクを高めます。
練習後のクールダウン
オスグッド病の予防には、練習後のクールダウンも欠かせません。
練習後にストレッチを行い、筋肉の興奮状態を鎮めることで、オスグッド病の発症リスクを下げる効果が期待できます。
適切な休養と睡眠
適切な休養と睡眠もオスグッド病の発症リスクを低下させます。
特に小さい子どもは痛みがあっても我慢することが多いため、親や指導者が「休むことも練習の内」とアドバイスすることが重要です。
疲労や小さな怪我は寝ている間に回復するため、適切な睡眠を心がけることも大切です。
大腿四頭筋のストレッチ
オスグッド病は大腿四頭筋腱の柔軟性不足により発症リスクが高くなります。
普段から以下のストレッチで大腿四頭筋の柔軟性を保つことがおすすめです。
- 布団やヨガマットにあおむけで寝る
- 右ひざを曲げてお尻の横に足首を持ってくる
- 30秒たったら反対側も同様に行う(3セット)
②のときに腰が布団やヨガマットから浮かないようにしましょう。
まとめ
オスグッド病の多くはオーバーユースが原因で起こるため、違和感の時点で対処することが重要です。
手術が必要となるケースはまれですが、発症すると運動を再開するまでに数ヶ月が必要となることも珍しくありません。
今回ご紹介した対処法や予防法を参考に、オスグッド病の発症を未然に防ぐことがおすすめです。
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