頸肩腕症候群は首から肩、腕にかけて見られる痛みやコリなどが特徴の疾患です。
かつては中高年以降の男性に多く見られるとされてきましたが、近年では若い女性にも発症が見られるようになっています。
頚肩腕症候群自体は病気ではありませんが、悪化すると日常生活に支障をきたすケースもあるため注意が必要です。
本記事では頚肩腕症候群の原因や治し方、自分でできる予防法などについて解説します。
Contents
頸肩腕症候群とは
頸肩腕症候群は病名ではなく、首や肩、腕などに痛みやしびれが表れる症状を組み合わせた呼び方です。
頸肩腕症候群は昭和の中期頃から注目されはじめました。
最初はコンピューターを扱う方に多く見られたのですが、次第にさまざまな職種の方に見られるようになりました。
頸肩腕症候群のメカニズム
デスクワークの方はもちろん、身体を使う仕事をしている方でも、業務に伴い首や肩、腕の疲労を感じることは珍しくないでしょう。
しかし、疲労状態を回復させないまま業務を続けていると、疲労がやがてコリへと変化し、血行不良に伴って痛み物質が出やすくなります。
また、筋肉は骨と骨とを結んでいるため、筋肉の緊張状態が続くと腱の付着部が引っ張られ、コリがやがて痛みへと変わります。
腱鞘炎が起こるのも指だけの問題ではなく、腕の筋肉を使い過ぎることで腱の付着部に過度の負担がかかるためです。
頸肩腕症候群の主な症状
頸肩腕症候群の主な症状は首や肩、腕の痛みやしびれですが、症状の表れ方や進行度合いは個人によりさまざまです。
しかし、最初は首や肩、腕の重圧感から始まり、次第に凝りや痛みへと変化するのが一般的です。
痛みの出方も個人によりさまざまで、動かすときだけ痛みを感じる方もいれば、何もしてなくても痛む方もいます。
症状が進行すると頭痛や耳鳴り、めまい、イライラなど自律神経系の症状が見られるケースも少なくありません。
頸肩腕症候群の主な原因
頸肩腕症候群を発症すると首や肩、腕の痛みやしびれだけでなく、心身にさまざまな不調を引き起こす可能性があります。
そのため、頸肩腕症候群の原因について理解し、適切な対処を行うことが重要です。
頸肩腕症候群の主な原因としては、以下の6つが挙げられます。
- オーバーユース
- 不動
- 不良姿勢
- 運動不足
- 誤った身体の使い方
- ストレス
頸肩腕症候群の発症リスクを高める6つの原因について解説します。
オーバーユース
頸肩腕症候群の発症リスクを高める原因の1つが、オーバーユース(使い過ぎ)です。
デスクワークや身体を使った仕事などで腕を使い過ぎると、同じ箇所に繰り返し負担がかかるため、筋線維が断裂して痛みを生じやすくなります。
オーバーユースのわかりやすい例が筋肉痛ですが、筋肉痛は比較的大きくて太い筋肉に起こることが一般的です。
大きくて太い筋肉は基本的に血液の循環が良い箇所のため、2,3日もすれば症状は回復に向かいます。
しかし、筋肉が小さくて細い箇所や、筋肉の端(腱)と骨とが付着する箇所は血流が乏しいため、しっかりと休養を取らないと回復が進みません。
回復が進まない内に損傷部位に負担がかかる動作を繰り返すと、やがて症状が慢性化に向かい、結果として頸肩腕症候群の発症リスクを高めるのです。
オーバーユースに伴う痛みは瞬間的なケガとは異なり、「気が付いたら痛くなっていた」といった症状の表れ方が特徴です。
そのため、どのタイミングで痛みが出始めたのか、自覚を伴わないケースも少なくありません。
不動
不動も頸肩腕症候群の発症リスクを高める原因の1つです。
不動は文字通り動かないことで、長時間のデスクワークなど同じ姿勢を続ける方などが当てはまります。
長時間に渡って同じ姿勢を続けていると、姿勢を保つための筋肉が緊張して硬くなり、血管が圧迫されて血行不良を引き起こします。
筋肉痛とは異なり、不動による負担は身体の深い部分に加わるため、浅い部分に見られる筋肉痛に比べて回復が遅い点が特徴です。
慢性的な肩こりや腰痛が治りにくいのも、筋肉痛とは異なり深い部分に筋緊張が出るためです。
長時間のデスクワークを行うと肩のだるさや凝りを感じることは珍しくありません。
しかし、凝りをそのまま放置すると硬くなった筋肉に圧迫されて血行が悪くなり、痛み物質が生成されやすくなります。
頸肩腕症候群がデスクワークの方に多く見られるのもそのためです。
不良姿勢
不良姿勢も頸肩腕症候群の発症リスクを高める原因の1つです。
例えば猫背になると頭の位置が前方へスライドしますが、頭には体重の10分の1程度の重さがあるため、少し前にスライドするだけで首の筋肉に大きな負担が生じます。
また、猫背に伴い肩甲骨が前に引っ張られると、脇の下の筋肉や神経が圧迫されるため、腕のしびれを引き起こしやすくなります。
運動不足
頸肩腕症候群の発症リスクを高める原因としては、運動不足も挙げられます。
学生の頃には部活や体育の授業などで身体を動かす機会があった方も、社会人になると運動不足を自覚している方が多いのではないでしょうか。
身体を使う仕事であっても、特定の箇所しか使っていない方は多いと思います。
頸肩腕症候群を発症する箇所の多くは、インナーマッスルなど小さい筋肉です。
小さい筋肉は血行不良に陥りやすいため、大きな筋肉を使って血液の循環を促進することが欠かせません。
しかし、運動不足が続くと身体全体としての血流が悪くなるため、小さい筋肉の損傷を回復させる機能が衰えます。
上記のことから、頸肩腕症候群は小さな筋肉の使い過ぎ、および大きな筋肉の使わなさすぎによって発症リスクを増加させると考えられます。
誤った身体の使い方
頸肩腕症候群の原因としては、誤った身体の使い方も挙げられます。
頸肩腕症候群はさまざまな職業に見られますが、仕事にはそれぞれに適した身体の使い方があるものです。
しかし、適切ではない身体の使い方や姿勢で仕事を続けていると、局所への負担が増大して頸肩腕症候群の発症リスクを高める結果となりかねません。
同じ業務をしているのに頸肩腕症候群を発症する方もいれば、なんの問題もなく日常を過ごしている方もいるのは、身体の使い方に問題があるのかもしれません。
ストレス
ストレスは万病の元と言われますが、頸肩腕症候群に関しても発症リスクを高める原因の1つです。
ストレス状態が続くと自律神経のバランスが乱れて血液循環を阻害するため、損傷部位の修復が遅れて頸肩腕症候群の発症リスクが高くなります。
また、ストレスが溜まると睡眠の質が低下するため、就寝中の身体の回復が遅れ、局所にダメージが蓄積することで、頸肩腕症候群の発症リスクを高める可能性があります。
頸肩腕症候群の治し方
整形外科などの病院では、次のような治療方法で頸肩腕症候群の改善を図ることが一般的です。
- 薬物療法
- ブロック注射
- リハビリテーション
頸肩腕症候群の一般的な治し方について解説します。
薬物療法
頸肩腕症候群に伴う痛みやしびれがある際には、薬物療法で改善を図ることが一般的です。
痛みに対してはアセトアミノフェンや非ステロイド性消炎鎮痛薬が用いられます。
また、筋緊張を緩める目的で筋弛緩薬が処方されるケースも少なくありません。
手のしびれが見られる場合には、ビタミン剤を処方されることがあります。
ブロック注射
頸肩腕症候群に伴う痛みがあまりにも強いケースでは、ブロック注射を行うこともあります。
ブロック注射にはトリガーポイント注射は星状神経節ブロック、椎間関節ブロックなどの種類があり、症状に応じて使い分けることが一般的です。
リハビリテーション
頸肩腕症候群の症状を改善する目的で、リハビリテーションが行われるケースもあります。
リハビリテーションでは首や肩の筋緊張を緩和するためのストレッチや、腕立て伏せなど筋力の強化が行われます。
活法・妙見活法での治療
妙見活法は日本古武道の桓武月辰流柔術に伝承される手技療法です。
頚肩腕症候群などの疲労から発生する不具合にも柔軟に対応できる技術があります。
妙見活法は体の不具合の場所は他の正常部位との振動周波数の狂いと考え、それを整えるべく施術の際に微振動を活用することがあります。
これは疲労や衝撃などの様々な要因で狂ってしまった身体の周波数を、微振動を加えることで本来の正常な周波数に戻すために施されます。
微振動は「息吹」や「柏手」にも代用されることもあります。
わずかな揺れですが、身体中に振動が行き渡る独特な操作法のため瞬時に不具合が改善されてしまうのです。
治療事例~40代女性 デスクワーク 愛知県大府市 共和阪野活法整体院~
主訴
- パソコンを使用した業務が多い
- 慢性的なだるさは自覚していたが、繁忙期で激務になり悪化
- 一年以上前から右肩の痛み
- 腕を後ろに回すと痛みが特に酷くなる
施術
痛みを出す体勢から、戻す際に柏手を打ち周波数を合わすための微振動を加える。(三光丁之活)
その後同じ体勢を取ってもらうが痛みが出なくなったので終了。
結果
痛みが瞬時に消失したことに興奮状態でした。
共和阪野活法整体院
- 住所:愛知県大府市共和町2-7-17
- 電話番号:0562-45-6417
- https://kyouwa-bannokappo-seitaiin.com/
自分でできる頸肩腕症候群の予防法
頸肩腕症候群は筋緊張や血行不良の結果として引き起こされるため、普段から以下の予防法に取り組むことが重要です。
- ストレッチ
- 入浴
- 定期的なメンテナンス
ストレッチ
頸肩腕症候群の多くは、筋肉の緊張による骨への牽引力によって引き起こされます。
そのため、骨を引っ張っている筋肉をストレッチで緩めることが欠かせません。
普段から首や肩まわり、腕の筋肉をストレッチで緩めておくと、頸肩腕症候群の発症リスクを下げる効果が期待できます。
入浴
頸肩腕症候群は、血行不良に陥りやすい小さな筋肉に多く見られる傾向があります。
そのため、普段から入浴で身体を温め、血液の循環を促進することが重要です。
温かいお風呂でリラックスすれば、頸肩腕症候群の原因の1つであるストレスの解消にもつながります。
定期的なメンテナンス
頸肩腕症候群の改善には筋肉を緩めることが欠かせませんが、ストレッチでは小さい筋肉がなかなか伸びません。
そのため、整骨院などの施術所で定期的に施術を受けることもおすすめです。
整骨院では筋肉は骨に関するプロフェッショナルの施術が受けられるだけでなく、身体の使い方に関するアドバイスもしてくれます。
まとめ
頸肩腕症候群は病名ではなく、首・肩・腕に見られる症状の総称(症候群)です。
瞬間的なケガとは異なり「気が付いたら痛くなっていた」という特徴があるため、原因を知って対策する必要があります。
また、単なる凝りと思って放置していると、やがて注射をしないと痛みが治まらなくなるケースも少なくありません。
今回ご紹介した記事を参考に、自分に合った適切な対処で、頸肩腕症候群の改善・予防に努めることをおすすめします。