半月板損傷は膝に見られるケガの一種で、スポーツ外傷全体のおよそ15%を占めます。
半月板損傷と聞いた場合、手術をしなければ治らないと思われる方も多いのではないでしょうか。
損傷の程度は人により様々で、保存療法で改善が期待できるケースもあれば、手術が必要になるケースもあります。
本記事では半月板損傷の原因やリハビリ方法、回復までの期間などについて解説します。
Contents
半月板損傷について
半月板損傷はバスケットボールやサッカー、スキーなど膝をひねる競技に多く見られるスポーツ外傷の一種です。
しかし、半月板損傷は日常生活中の動作で発症することもあります。
若い方から高齢者まで多くの方に見られますが、慢性化すると将来の変形性膝関節症のリスクを高めるため注意が必要です。
半月板とは
半月板は太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)で構成される膝関節の内部にある繊維軟骨です。
膝関節の内側と外側にあり、アルファベットの「C(シー)」のような形が特徴です。
半月板の外側3分の1には血管が存在しますが、内側3分の2には血管が存在しません。
そのため、半月板の内側3分の2を損傷した場合、修復が困難となる傾向にあります。
半月板の役割
半月板の役割は大きく分けて以下の2つです。
- クッションとしての役割
- スタビライザーとしての役割
クッションとしての役割
半月板の役割の1つが、クッションのような働きで膝関節にかかる衝撃を和らげることです。
先述の通り膝関節は大腿骨と脛骨で構成されています。
大腿骨の先端は丸みを帯びていますが、脛骨の先端は平らである点が特徴です。
そのため、大腿骨と脛骨だけでは膝関節に大きな負担がかかります。
大腿骨と脛骨の間にある半月板がクッションとして働くことで、膝関節への衝撃を和らげる効果が得られます。
スタビライザーとしての役割
半月板には車を安定させるスタビライザーのような働きもあります。
半月板は繊維軟骨の一種で、硝子軟骨(しょうしなんこつ)である関節軟骨よりも固い点が特徴です。
関節軟骨よりもすり減りにくいため、半月板は膝関節を安定させる際に重要な働きを持つのです。
半月板損傷の主な原因
半月板損傷の主な原因としては以下の2つが挙げられます。
- 膝関節への過度な負担
- 加齢
膝関節への過度な負担
半月板損傷の原因の1つが、膝関節に加わる過度な負担です。
スポーツなどで膝関節に負担がかかると、ダメージにより半月板が損傷しやすくなります。
特に膝のひねりが加わる競技や、跳躍を繰り返すスポーツなどで発症例が多い傾向にあります。
加齢
加齢も半月板損傷のリスクを増加させる要因の1つです。
加齢に伴い半月板は変性するため、少しの衝撃で損傷しやすくなります。
長時間のウォーキングや急な運動などより発症する例が多い傾向にあります。
半月板損傷にともなう主な症状
半月板損傷に伴う主な症状は以下の5つです。
- 違和感
- 可動痛
- 可動制限
- ロッキング
- 水腫
違和感
半月板損傷の初期段階では、それほど痛みを感じることがありません。
しかし、膝を曲げたり伸ばしたりする際に違和感を生じることがあります。
可動痛
半月板損傷に伴う症状の1つが可動痛(膝関節を動かしたときの痛み)です。
膝を曲げたり伸ばしたりする際に、膝の内側もしくは外側に痛みが出ます。
可動制限
半月板損傷を発症した場合、膝関節の可動制限を伴うことがあります。
膝を曲げたり伸ばしたりする際に、引っかかるように感じることが一般的です。
ロッキング
半月板損傷の症状が進行すると、膝関節にロッキングが生じることもあります。
ロッキングは膝まわりの痛みと同時に、関節を急に動かせなくなる状態を意味します。
放置するとロッキングしたままになる可能性もあるため注意が必要です。
水腫
半月板損傷を発症した場合、水腫(すいしゅ)が見られることもあります。
膝関節の滑膜に炎症を起こすと、痛みを緩和するために関節液が過剰に分泌されます。
関節液は抜いてもまた溜まるため根本的な処置が必要です。
半月板損傷の治療法
半月板損傷の主な治療法は以下の3つです。
- 保存療法
- 手術療法
- 整体・手技療法
- 再生医療
保存療法
保存療法は簡単に言うと、手術をせずに症状の改善を図る方法です。
ロッキングが見られない場合には、まずは保存療法で改善を図ることが一般的です。
保存療法のメリットとして、半月板を温存できることが挙げられます。
半月板を温存すると将来の変形性膝関節症の発症リスクを下げることが期待できます。
半月板損傷の主な保存療法は薬物療法や電気治療、運動療法、温熱療法、装具療法、ヒアルロン酸注射などです。
手術療法
ロッキングが見られる場合や、日常生活に支障を来す場合には、手術療法が検討されます。
主な手術法は半月板縫合術と半月板切除術の2つです。
手術療法のメリットは症状を早期に改善できることです。
ただし、将来の変形性膝関節症のリスクを増加させる恐れもあるため注意が必要です。
整体・手技療法
一般的に整体・手技療法の半月板損傷に対しての施術法としては、不安定な関節を安定させるためにマッサージや徒手療法によって筋肉の調整をして強張りを改善したり、体の歪みの調整を行ったりします。
ロッキングを起こしている場合には関節裂隙(れつげき:骨と骨の間の隙間)を開きながら挟まった半月板を取り除く徒手矯正を行うこともあります。
また電気療法など器具を使って疼痛軽減と血流を促進したりしますが、炎症が強い場合はアイシングを行いテーピングや包帯で固定を行う場合もあります。
半月板損傷に対する検査としては「マックラーレンテスト」や「アプレー圧迫テスト」などがあり、内側半月板か外側半月板のどちらを痛めているかを特定します。
半月板が損傷すると周りの筋肉が半月板の代わりに安定させようと働くので、損傷する前には無かった負担が掛かることで膝関節症周囲の筋肉が緊張した状態となります。
緊張した状態で動き続けると回復の前に疲労が勝り、その継続的な疲労の蓄積が軽い痛みとなります。
そこから更に筋肉を酷使し続けることでますます過緊張が起こりそれが組織の炎症や損傷に繋がっていきます。
筋肉を調整することで過緊張から解放され、それにより姿勢が改善されてきたら再発防止のためにストレッチや筋力トレーニングを取り入れていきます。
このように一般的には順を追って個別にアプローチをして行きステップバイステップで機能を取り戻す治療計画を立てていきます。
活法・妙見活法での治療
活法とは日本古来の手技療法です。
その中でも妙見活法は1000年以上に渡り症状の解決に特化し研究・研鑽されて来ました。
一見「不思議な治療」と捉えられることもありますが、何も特殊な事をする訳ではありません。
例えば自転車の歯車の突起が一つ欠けてしまい、うまく回転しなくなったとします。
この時チェーンやベルトの張り(張力)を調整すると負荷が減少し滑らかに回転する様になります。
同じ様に身体の損傷した部位に関わる筋肉・腱などの張力の調整により、負荷の中心を移動させます。(揉んだり押し込んだりする訳ではありません。)
負荷をずらす事で、損傷した部位の本来の働きを取り戻せるのです。
妙見活法整体はこの様に物理法則を活用しているだけに過ぎないのです。
妙見活法による治療事例
20代男性 千葉県習志野市 月辰会活法整体院
主訴
- 2カ月前のより右膝の完全伸展と完全屈曲で引っ掛かり
- 整形外科で半月板損傷と診断される
- 立位からのしゃがみ込み時、半月板が引っ掛かり途中までしか出来ない
- 仰向きで膝を伸ばしてもロック状態となり完全伸展が不能
- 1か月後の手術を勧められてる
施術
不具合のある個所は身体の全機能の中で下位になっていると捉え、真武一之活を施し右膝を身体全体の動きの中心となるように誘導する。この一手で右膝に掛かる負担の質量を変化させ、機能回復を起こす。
結果
- 立位から完全に膝を曲げきるまでのしゃがみ動作が可能
- 仰向きで膝を伸ばすも完全伸展が可能
- その日の夜からスポーツジムで100キロを担いでスクワットが可能に
- トレーニング後はしゃがみも立ち上がりも違和感無し
- さらに今までスクワット時に気になっていた股関節の痛みと腰の痛みも無くなる
- 1か月後のMRI検査では半月板が正常との診断で手術を回避
治療院アクセス
- 月辰会活法整体院
- 住所:〒275-0016 千葉県習志野市津田沼4丁目1−25 Ⅶ C号棟 ダイワティアラ津田沼2
- 電話番号:047-454-0001
妙見活法整体での治療を希望される方、また妙見活法整体の治療技術に興味がある方は下記のお問い合わせフォームよりご連絡下さい。
再生医療
近年になり注目されている半月板損傷の治療法の1つが再生医療です。
代表的な再生医療としてはPRP療法がよく知られています。
PRP療法は自分の血液から抽出した多血小板血漿(PRP)を患部に注入することが特徴です。
再生医療は損傷した半月板組織の修復が期待できる新しい治療法です。
半月板損傷の改善に効果的なリハビリ方法
保存療法にせよ手術療法にせよ、半月板損傷から回復するためには以下のリハビリに取り組むことが必要です。
- 関節可動域訓練
- 筋トレ
- バランストレーニング
- アスレチックリハビリテーション
各リハビリの簡単な内容と、治療法ごとの開始目安期間を合わせて紹介します。
関節可動域訓練
半月板損傷を発症した場合、関節の可動域を訓練により広げる必要があります。
まずは90度まで、次に120度まで開くよう訓練することが一般的です。
保存療法の場合は治療開始とともに90度までの関節可動域訓練を行い、約1週間後に120度を目指します。
半月板切除術を行った場合は翌日から、半月板縫合術をおこなった場合には約2週間後から訓練を始めます。
筋トレ
半月板損傷を発症した場合、関節を安定させるために筋トレを行うことも重要です。
筋トレは主に膝まわりの筋力アップを目的としています。
保存療法の場合は治療開始と同時期に、手術療法の場合は翌日から筋トレに取り組み始めます。
症状や筋力、体力、年齢、運動経験の有無などに応じて徐々に筋トレの強度を上げることが一般的です。
バランストレーニング
膝関節の安定のためには、バランストレーニングも求められます。
バランストレーニングを行う目的は、半月板損傷の再受傷を防ぐことです。
バランストレーニングには、バランスボールやバランスディスクなどが用いられます。
保存療法および半月板切除術の場合は治療開始の約1週間後から、半月板縫合術の場合は約4週間後からバランストレーニングを開始します。
アスレチックリハビリテーション
アスレチックリハビリテーションは、半月板損傷後に行うリハビリテーションの参集段階です。
アスリートやスポーツ愛好家の方が、競技に復帰することなどを前提として取り組みます。
まずはジョギングから始め、問題がなければより本格的なスポーツ動作を行います。
保存療法および半月板切除術の場合は治療開始の約4週間後から、半月板縫合術の場合は約8週間後から開始します。
実際に競技に復帰する目安は、保存療法および半月板切除術の場合で約2ヶ月後、半月板縫合術の場合は約3ヶ月後です。
半月板損傷の予防方法
半月板損傷は偶発的に起こるケガではありますが、普段から以下の予防法に取り組むと、発症リスクを下げることが期待できます。
- 運動前のウォーミングアップ
- 運動後のクールダウン
- 疲労を溜め込まない
- 正しい身体の使い方を学ぶ
運動前のウォーミングアップ
半月板損傷を予防するためには、運動前のウォーミングアップは欠かせません。
身体を温めることで血流が促進され、身体が運動モードへと切り替わります。
また、ウォーミングアップにより筋肉を柔軟にすると、半月板への負荷を減少させることが期待できます。
運動後のクールダウン
運動後のクールダウンも、半月板損傷の予防方法の1つです。
クールダウンをおこなうと筋緊張を緩和し、身体の回復力を高めることが期待できます。
運動後は膝まわりを一時的に冷やし、帰宅したら入浴後にストレッチすることがおすすめです。
疲労を溜め込まない
半月板損傷を予防するためには、疲労を溜め込まないこともポイントです。
疲労が蓄積した状態で運動すると、半月板への負担が増大するだけでなく、判断力の低下などが原因でケガのリスクを高めます。
1日の疲れは可能な限り翌日までに回復させるよう意識しましょう。
正しい身体の使い方を学ぶ
半月板損傷を予防するためには、正しい身体の使い方を学ぶことも重要です。
膝を曲げるときに「ニーイン」になる方は特に注意が必要です。
走るときなどはつま先と膝が正面を向くよう意識しましょう。
まとめ
半月板損傷は代表的なスポーツ外傷の1つで、膝をひねる競技に特に多く見られます。
ただ、年齢を重ねると日常生活中の動作で発症することもあるため注意が必要です。
半月板損傷は早期の段階で対処すると、手術を回避することも期待できます。
今回ご紹介した予防方法を参考に、半月板損傷の発症リスクを下げることがおすすめです。
ただし、膝の曲げ伸ばしがしづらい場合などは、速やかに専門家に相談しましょう。
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