指や手首の痛みを訴えて整形外科を受診すると腱鞘炎と診断されることがあります。
しかし、痛み止めやシップをもらって安静にするよう言われるだけでお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
手を使う仕事などが原因で腱鞘炎を発症した場合、長期間に渡り安静にすることは正直無理な相談ではないでしょうか。
本記事では腱鞘炎の原因や症状について解説するとともに、腱鞘炎の治し方について解説します。
指や手首の痛みでお困りの方や、仕事や家事を休めない方は参考にしてください。
Contents
腱鞘炎とは
腱鞘炎(けんしょうえん)は、筋肉が骨に付着する部分である腱と、腱を保護するように覆っている腱鞘が擦れあい、炎症を起こす整形外科的疾患の一種です。
原因
腱鞘炎の原因としては主に以下の3点が挙げられます。
- 手の使い過ぎ
- 筋緊張
- ホルモンバランスの変化
- 栄養不足
手の使い過ぎ
腱鞘炎を引き起こす原因の1つが手の使い過ぎです。
ピアノなどの楽器奏者やテニスプレイヤー、フライパンを振る機会が多い料理人などに腱鞘炎が多く見られます。
また最近ではスマホを片手で操作する方にも、腱鞘炎が多く見られるようになっています。
病院で腱鞘炎と診断されたときに安静を言い渡されるのも、手の使い過ぎが原因と考えられているためです。
筋緊張
腱鞘炎の原因としては筋緊張も挙げられます。
実際に腱鞘炎を発症した方を見てみると、前腕の筋肉が緊張して硬くなっている傾向にあります。
前腕の筋肉が硬くなるのは、手首や指を動かす際に前腕の筋肉が使われるためです。
整骨院や整体院などでは前腕の筋緊張にも着目し、腱鞘炎を改善に導くところが多くなっています。
ホルモンバランスの変化
腱鞘炎の原因としては、ホルモンバランスの変化も挙げられます。
一般的に腱鞘炎は男性よりも女性の発症率が高いとされています。
そのため、妊娠後期・出産期間や更年期などのホルモンバランスの変化が何らかの形で腱鞘炎の発症に関わっているのではないかと考えられているのです。
栄養不足
腱鞘炎の原因としては、栄養不足も挙げられます。
腱と腱鞘はコラーゲン繊維で出来ており、そのコラーゲン繊維はタンパク質と鉄、ビタミンⅭで合成されています。
鉄が不足すると腱の合成が阻害され、腱の状態が悪くなり腱鞘炎を起こしやすくなります。
代表的な2つの腱鞘炎
腱鞘炎は大きく以下の2つに分けられます。
- ばね指
- ドケルバン病
ばね指
ばね指は弾発指(だんぱつし)とも呼ばれており、屈筋腱(指を曲げる筋肉の腱)に炎症を起こす点が特徴です。
指を曲げると引っかかりが生じ、それでも曲げ続けると弾かれたように曲がった状態になります。
また、指を伸ばそうとするとひっかかりが生じ、それでも伸ばし続けると弾かれたように指が伸びます。
弾かれるような動きの特徴からばね指という名前が付けられています。
ドケルバン病
ドケルバン病は狭窄(きょうさく)性腱鞘炎とも呼ばれており、手首の親指側に発症する点が特徴です。
ばね指とは異なり手首を動かす際の引っかかりはありませんが、症状が進行すると動かしづらくなるケースはあります。
腱鞘炎の主な症状
腱鞘炎の主な症状は、動作に伴う指や手首の痛みです。
症状が進行すると炎症を起こした箇所に腫れが見られたり、可動制限を引き起こしたりします。
また、痛いからといって動かさずにいると関節拘縮を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。
腱鞘炎のセルフチェック法
腱鞘炎(ドケルバン病)を発症しているかどうかは、アイヒホッフテストで簡単にチェックできます。
手順は以下の通りです。
- 手の甲を外側に向けて腕をまっすぐ前に伸ばす
- 親指を曲げて人差し指から小指でつかむ
- 手首を下に傾けるように倒す
③のときに手首の親指側に痛みが出る場合、ドケルバン病の発症が疑われます。
ばね指の場合は指を曲げ伸ばしする際に引っかかりが生じるため、特別なテストをしなくても発症が確認できます。
腱鞘炎の一般的な治し方
整形外科などの病院で腱鞘炎と診断された場合、一般的には以下の治療が行われます。
- 安静
- 装具療法
- 薬物療法
- 手術療法
安静
病院における腱鞘炎の治療法としては安静が第一に挙げられます。
腱鞘炎の原因が手の使い過ぎである以上、安静にしていないと症状が改善しないと考えられているためです。
手を使う仕事を休めない場合にはなるべく反対の手を使い、どうしても必要な作業だけ患側を用いて短時間で済ませるよう指導されることもあります。
また、日常の作業にも優先順位を付け、後回しにできることは無理をしないよう勧められることもあります。
装具療法
腱鞘炎を発症した場合、患部を動かさないように装具で固定する治療も行われます。
固定といってもギプスなどでしっかりと固定するのではなく、着脱可能な装具を用いることが一般的です。
装具は病院で付けることもあれば、市販の商品を購入する場合もあります。
ただし、過度に固定すると関節拘縮を招く恐れもあるため注意が必要です。
薬物療法
腱鞘炎に伴う痛みを抑える場合には、消炎鎮痛効果のある外用薬やシップ薬、テープ剤、もしくは内服薬を使用した薬物療法が行われます。
痛みの程度がひどい場合には、腱鞘内に局所麻酔とステロイド局所注射を行うケースもあります。
病院で診てもらう時間がない場合は、薬局やドラッグストアで消炎鎮痛剤を購入する方法もあります。
消炎鎮痛剤にはテープ剤やシップ薬の他にローションやゲル、クリームなどがあるため、部位に応じて選ぶと良いでしょう。
手術療法
上記の治療で改善がまったく見られない場合や、日常生活に甚だしい支障を来す場合には、手術療法が検討されることもあります。
局所麻酔下で腫れた腱鞘を切開するのが一般的で、手術時間も10分から20分程度で済みます。
ただし、手の使い方や生活習慣を見直さないと、何度でも腱鞘炎を繰り返す可能性があるため注意が必要です。
整骨院や整体院における腱鞘炎の治し方
整骨院や整体院などでは、以下のアプローチ法で腱鞘炎の改善を図ることがあります。
- 前腕の筋肉を緩める
- 患部への血行を促進する
- 関節調整をおこなう
- 身体の使い方に関するアドバイスを行う
手術は最後の手段にとっておきたい方は、整骨院や整体院での施術を検討することがおすすめです。
前腕の筋肉を緩める
整骨院や整体院では、前腕の筋肉を緩めることで腱鞘炎の症状の緩和を図ります。
腱鞘炎を発症すると患部にばかり注目しがちですが、指や手首を動かす際には前腕の筋肉も使います。
実際、腱鞘炎を発症した方を見ていると、前腕にひどい緊張を認めるケースがほとんどです。
腱鞘炎がなかなか治らない方の場合、前腕の筋緊張を取り除けていないのかもしれません。
患部への血行を促進する
整骨院や整体院では、患部への血行を促進する施術も行われます。
血液は全身に酸素と栄養を運んでいるため、血行不良に陥ると症状の回復が遅くなるためです。
前腕の筋肉を緩めることはもちろん、ホットパックなどを用いて血行促進を図ることもあります。
関節調整をおこなう
関節調整を行う点も、整骨院や整体院の施術の特徴です。
整骨院や整体院ではあらわれている症状を結果として捉え、原因から根本的に改善することを目的としています。
例えば肩関節の可動域が狭い場合、必要以上に手首への負担を増すことが考えられます。
逆に言うと、肩関節の可動域を広げない限り、何度でも腱鞘炎を発症する可能性があるわけです。
関節調節を行うことで手首への負担を減らせば、腱鞘炎を早期の改善へと導く結果が期待できます。
身体の使い方に関するアドバイスを行う
身体の使い方に関するアドバイスも、整骨院や整体院では受けられます。
整骨院や整体院の施術師は、自ら運動していた方が少なくありません。
そのため、スポーツの特性に合わせた身体の使い方などを学ぶことが可能です。
腱鞘炎がなかなか治らない場合、ホームページのプロフィールなどを確認し、自分に合った施術所を選ぶと良いでしょう。
活法・妙見活法での治療
活法とは日本古来の手技療法です。
その中でも妙見活法は1000年以上に渡り症状の解決に特化し研究・研鑽されて来ました。
妙見活法では痛みや不具合の認知を「顕在世界」、自然治癒力を「潜在世界」と捉えています。
痛みや不具合の原因は1つではなく、目に見えない複数の要因が絡み合って複雑になっています。
その為に本来の原因を特定し難く、根治するまでに時間が掛かってしまう事が多々あります。
そこで妙見活法の治療は原因をピンポイントに追求せず、あらゆる不具合の状態に共通する身体全体の連動性の改善を図ります。
本来の 自然治癒力を引き出す為、目に見える顕在世界だけでなく目に見えない潜在世界への整えまで身体丸ごとアプローチします。
(潜在世界の機能も単体ではなく、連動性のある総合ネットワークで構成されています。)
この身体全体の連動性を整える事で、本来の健康な状態に再構築されるのです。
治療事例
50代農家女性 岐阜県瑞浪市 龍門整体療法院
主訴
- 2週間ほど前に草刈りをして左手指から手首にかけて痛み出す(左利き)
- 手指を握る・手首を曲げると痛み増
- 鎌や鍬、フライパンなど使用時の痛みが特に辛い
- 腫れと熱感有り
施術
三光豊受之活で左腕全体をキャッチし、軽く手首・肘・肩関節など動かす操作を施す。
結果
- 一手で痛みは消滅
- 実際にフライパンを持ってもらい動作確認したところ問題なし
- 腫れと熱もその場で引いており、本人もビックリして終了
治療院アクセス
- 龍門整体療法院
- 住所:〒509-6121 岐阜県瑞浪市河戸町1098-13
- 電話番号:0572-68-7340
腱鞘炎の予防法
いったん腱鞘炎を発症すると治るまでに時間と費用が必要になるだけでなく、生活の質(Q・O・L)も大きく低下します。
そのため、普段から次のような方法で腱鞘炎を予防することがおすすめです。
- 手に負担がかかる動作を減らす
- ストレッチをおこなう
- テーピングやサポーターを利用する
- お風呂で身体を温める
- スマホの操作法を見直す
- 睡眠の質を高める
- 鉄分を補給する
手に負担がかかる動作を減らす
腱鞘炎を予防するためには、手にかかる物理的な負担を減らすことが欠かせません。
仕事で手を使わなければならない場合はともかく、手先を使う趣味がある方は適度に休養を挟むようにしましょう。
また、仕事で手を使う場合であっても、身体の使い方を工夫して手にかかる負担を減らすことが大切です。
ストレッチをおこなう
腱鞘炎を予防するためには、日頃からストレッチで前腕や肩甲骨まわりの筋肉を柔軟に保つことが重要です。
前腕と肩甲骨まわりの筋肉を同時にストレッチする方法があるのでご紹介します。
- 右手をまっすぐ前に伸ばす
- 指先を下に向け手のひらを向こう側に向ける
- 左手で右手の人差し指から小指をつかむ
- 左手で右手の指を引っ張り手首を返すように動かす
- 左手で右手の指先を左側に回す
- 30秒たったら反対側も同様におこなう
前腕の屈筋群と肩甲下筋を同時にストレッチできるので、お風呂上りなどに取り組むことがおすすめです
テーピングやサポーターを利用する
テーピングやサポーターを日常的に利用することも、腱鞘炎の予防につながります。
腱鞘炎の治療に用いる固定用のサポーターではなく、筋肉の動作を補助するような商品を選ぶと良いでしょう。
テーピングにはキネシオテープを用いると、筋肉のはたらきをサポートすることが可能です。
テーピングの仕方が分からない場合、近くの整骨院などで教えてもらう方法もあります。
お風呂で身体を温める
腱鞘炎に限らず身体の不調を予防するためには、日頃からお風呂で身体を温めることが重要です。
洋の東西を問わず冷えは万病の元とされています。
身体を温めて血液循環をスムーズに保つことで、身体の回復力を高めることが可能です。
スマホの操作法を見直す
腱鞘炎を予防するためには、スマホの操作法を見直しましょう。
片手で大きなスマホを持って操作すると、指や手首に大きな負担がかかります。
可能であれば手に持ったスマホを、反対の手で操作すると良いでしょう。
睡眠の質を高める
睡眠の質を高めることも、腱鞘炎の予防につながります。
人間の脳内では睡眠中に成長ホルモンが分泌され、損傷部位の修復や疲労回復が行われます。
睡眠の質を高めるためには、早起きして朝日を浴びることがおすすめです。
朝日を浴びると脳内時計がリセットされ、生活リズムを整えやすくなるだけでなく、夜に自然な眠りが訪れやすくなるというメリットもあります。
鉄分を補給する
良質な鉄分を補給することも、腱鞘炎の予防につながります。
鉄分には大きく分けて二価鉄と三価鉄という二種類の鉄があり、二価鉄は三価鉄に比べて5~6倍も身体に吸収されやすい鉄です。
しかし一般的に販売されている鉄剤や鉄のサプリメントは人工精製しているため、副作用として吐き気・胃痛・下痢・便秘などの胃腸障害を起こすことがありますので注意が必要です。
鉄瓶や鉄玉を使って沸かしたお湯に含まれる鉄は副作用が出にくく、且つ80~95%が吸収されやすい二価鉄となっており体に負担をかけることなく手軽に鉄分を補給することが出来ます。
まとめ
腱鞘炎は手をよく使う仕事や趣味の方に多く見られます。
病院では安静を言い渡されることが一般的ですが、長期の固定は返って回復を遅らせる可能性もあるため注意が必要です。
日頃から無理のない範囲でストレッチに取り組み、腱鞘炎の改善・予防を図ることがおすすめです。
できれば手術を避けたいという方は、近くの整骨院などで相談すると良いでしょう。
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