指を曲げたり伸ばしたりする際に引っかかりや痛みを生じる場合、ばね指を発症している可能性が疑われます。
日常の動作が問題なく行えると放置する方もいますが、重症化しないうちに早めに改善することがおすすめです。
本記事では、ばね指の原因や症状、および正しい治し方について解説しています。
Contents
ばね指について
ばね指は指に見られる腱鞘炎の一種で、医学的には弾発指(だんぱつし)と呼ばれています。
ばね指の特徴
ばね指を発症すると指を曲げようとしたときに引っかかりが生じ、さらに深く曲げると弾かれるようにカクンと指が曲がります。
反対に指を伸ばそうとするとやはり引っかかりが生じ、弾かれたように伸びる点が特徴です。
ばねに弾かれたように指が曲がったり伸びたりすることから、ばね指という俗称が付けられています。
ばね指のメカニズム
指を曲げるときには指だけでなく前腕の屈筋群が使われますが、屈筋が骨に付着する箇所(屈筋腱)によって収縮力が指の骨に伝えられ、関節が曲がる仕組みとなっています。
指はよく使う箇所のため、腱を保護する目的、および腱が骨から浮き上がるのを抑える目的で、腱鞘と呼ばれるトンネル状の組織のなかを腱が通っています。
腱鞘があることで屈筋群の力が指に伝わり、スムーズに関節を曲げることができる訳です。
しかし、何らかの原因によって腱もしくは腱鞘が腫れると、指の動きが悪くなったり痛みを生じたりする結果となります。
さらに指の付け根(MP関節)にある腱鞘の入口(A1プーリー)が狭くなると、指を曲げ伸ばしする際に引っかかりが生じるようになります。
ばね指の主な原因
ばね指の症状は妊娠・出産後の女性や更年期の女性に多く見られることから、女性ホルモンのバランスが何らかの形で関与しているのではないかと考えられています。
また、日頃から運動をしている方や家事をする機会が多い女性にばね指が多く見られることから、手の使い過ぎもばね指の原因の1つとされています。
ばね指の症状
ばね指の発症初期には、指を曲げようとした際に指の付け根の手掌側や、第2関節(PIP関節)の甲側に痛みを生じることが一般的です。
指を曲げたり伸ばしたりする際に引っかかりを生じるのもばね指の特徴ですが、痛みを伴う
かどうかは人により異なります。
症状が悪化すると、指が伸びた状態のまま曲がらなくなるケースもあります。
ばね指の一般的な治し方
整形外科などの医療機関では、ばね指に対して以下の治療法で改善を図っています。
- 安静
- 装具療法
- 注射
- 手術療法
ここでは、ばね指の一般的な治し方について解説します。
安静
ばね指は手の使い過ぎで発症するケースが多く見られるため、症状が出ている間は安静にするよう指導されることが一般的です。
ただし、痛みがあるからといって安静にしすぎると関節拘縮を引き起こす可能性があるため、無理のない範囲で動かすよう指導されるケースも少なくありません。
また、ばね指はそもそも手を使う仕事に多く見られるため、安静にできないケースが多い点も現実的な問題です。
装具療法
仕事で手を使わざるを得ないような事情がある際には、専用の装具を用いて痛みが出ている指を固定します。
しかし、装具療法は普段使っている指を動かないようにする対症療法のため、日常の動作に多大な支障を来す点がデメリットとなっています。
注射
ばね指にともなう痛みが強い場合には、腱鞘内にトリアムシノロンなどのステロイド注射を行います。
腱鞘内注射は比較的効果が高いことで知られており、3ヶ月以上症状が出なくなるケースもあります。
ただし、手をよく使うなどの生活習慣を改善しない限り、何度でも再発する可能性があります。
手術療法
上記の方法で改善が見られない場合には、手術療法が検討されるケースもあります。
手術療法は腱鞘を切開し、腱の動きをスムーズにする目的で行われます。
また、手術をする場合はもちろん、保存療法においても関節や腱の動きをスムーズにするためのリハビリテーションは欠かせません。
活法・妙見活法での治療
妙見活法は日本古武道の桓武月辰流柔術に伝承される手技療法です。
妙見活法の特徴の一つに「根で治す」と表現する事があります。
根とは根っこ、つまり目に見えない場所にアプローチをして不具合を根本的に解決する操作法です。
いくつかの操作法がありますが、代表的なものとして手首内側から脈を計っているように触れ血管や神経にアプローチをする手法があります。
ばね指などの根治し難い症状にも速やかに効果を表せます。
妙見活法による治療事例~40代男性 兵庫県神戸市 こうだ治療院~
主訴
- 精密機器を修理する仕事のため、指を使うことが多い
- 中指を曲げるとひっかかり痛みが生じる
- 整形外科でリハビリに通うように勧められるが改善せず
施術
片手で頸椎の調整をしながら「葉脈の虚実」操作法で患部とは逆の手首も同時に調整をして終了
結果
- 施術前に引っかかっていた中指の曲げ伸ばしもスムーズになった
- 多少あったしびれも解消され問題なく動かせるようになった
こうだ治療院
住所:兵庫県神戸市中央区布引町4-3-12 大和ビル8F
電話番号:078-855-6767
ばね指を自分で改善・予防する方法
ばね指の多くは手の使い過ぎで起こるため、普段から以下の対策を行うことで、ばね指の改善・予防が期待できます。
- 腱鞘ストレッチ
- 前腕屈筋群のストレッチ
- お風呂で身体を温める
ここでは、ばね指を自分で改善・予防する方法について解説します。
腱鞘ストレッチ
ストレッチを行うことで腱鞘を広げると、腱鞘と腱の動きをスムーズにする効果が期待できます。
腱鞘ストレッチの手順は以下の通りです。
- 痛みが出る指の付け根にあたるようにテレビのリモコンなどを横にして握る
- リモコンを横方向に押しつぶすイメージで指の付け根を圧迫する
- 30秒×10セットを目標におこなう
指の付け根(MP関節)にある腱鞘の入口(A1プーリー)を圧迫するイメージで行うと効果的です。
痛みが強い場合には無理をせず、痛み止めなどで症状を緩和してからストレッチに取り組むと良いでしょう。
前腕屈筋群のストレッチ
指を曲げる際には前腕の屈筋群を使うため、前腕の筋緊張が強いとばね指の症状も悪化する傾向にあります。
前腕屈筋群のストレッチは以下の手順で行いましょう。
- 痛みが出る方の腕をまっすぐ前に伸ばす
- 手のひらを向こう側に向けて指を下にする
- 反対の手で指先をつかみ手首を反らす
- 30秒×3セットを目標におこなう
ストレッチは原則として気持ちよく感じる範囲で行いましょう。
痛いほどの力でストレッチすると、返って筋肉の緊張が強くなるため注意が必要です。
お風呂で身体を温める
お風呂で身体を温めると筋肉が緩むだけでなく、血行を促進して身体の回復力を高める効果が期待できます。
また自律神経のうち副交感神経が優位に傾くため、睡眠の質を高める結果にもつながります。
まとめ
ばね指は手をよく使う方に多く見られるため、医療機関では安静にするよう指導されることが一般的です。
しかし、安静にしすぎるとかえって関節や筋肉の硬縮を招く恐れがあるため、無理のない範囲で動かすことも重要なポイントです。
今回ご紹介したセルフケアの方法を参考に筋緊張を緩和し、身体の回復力を高めて、ばね指の改善・予防に取り組みましょう。
また妙見活法での施術や操作法に興味を持たれた方は毎月のセミナーで学ぶことが出来ます。
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